2026.07.23 | ISSEY MIYAKE 近藤悟史が仏コンテンポラリーダンサー・振付家、ネモ・フルーレの作品『Derniers Feux』の舞台衣装をデザイン
ISSEY MIYAKEのデザイナー近藤悟史が、フランス人ダンサー・振付家、ネモ・フルーレ氏によるコンテンポラリーダンス作品『Derniers Feux(デルニエ・フー)』(和訳:いやはての火)の舞台衣装を制作しました。表現力豊かな衣服が、振り付けと舞台演出と結び付く協業プロジェクトが実現。2025年7月の第79回「アヴィニョン演劇祭(※)」での初演以来、世界各地を巡回している『Derniers Feux』は、2026年6月12日から14日にかけて、パリのグラン・パレで最新公演を行いました。

2026年6月にパリのグラン・パレで行われた公演の様子 (Photography: Peteris Viksna)
近藤はフルーレ氏の作品に深く共鳴を覚え、これまでに2024年春夏シーズンと2025/26年秋冬シーズンのパリコレクションの発表において、2度にわたり同氏との協業を行いました。いずれの機会においても、フルーレ氏は他のパフォーマーとともに、コレクションのテーマを見事に捉えたダイナミックなパフォーマンスを披露し、従来のランウェイ表現にない高揚をもたらしてくれました。
フルーレ氏の創作は、人間の「身体性」に対する徹底的な探求を根底に据え、同調(シンクロ)と非同調の間を移り変わる動きの詩情として表しています。プロセスを重視する彼のアプローチからは、「その場に限る(in situ)」身体表現が見出だされ、ダンスそのものが直接観る人に働きかけ、身体だけに伝わる感覚を呼び起こします。

2025年7月に第79回「アヴィニョン演劇祭」で行われた初演の様子 (Photography: Christophe Raynaud de Lage)
このように身体と深く向き合うフルーレ氏の姿勢は近藤に響き、ISSEY MIYAKEコレクションの哲学と、その服づくりに取り組む姿勢とも通じ合っています。舞台芸術と衣服デザインという、異なる創作分野を越えた二人の活動の親和性が、今回のプロジェクトへと繋がったのです。
近藤はブランドで培ってきた技術と手仕事を活かし、フルーレ氏を含む11名のパフォーマーのためにオリジナル舞台衣装を制作しました。鮮やかな配色に、多彩な素材やスタイルを掛け合わせたデザインは、ダンスの緩急と演目による躍動的な展開に呼応して、変化を遂げていきます。

ドレスリハーサルの様子 (Photography: Peteris Viksna)

舞台道具として使われる衣装 (Photography: Peteris Viksna)

鮮やかな配色に、多彩なる素材やスタイルを掛け合わせたデザイン (Photography: Peteris Viksna)
Derniers Feux(デルニエ・フー)について
ダンサーとミュージシャンたちに囲まれた環境の中で、ネモ・フルーレが現在において創り出すこの舞台は、自身の幼少期の思い出と集団の共同記憶を取り入れた、再構築が遂げていく世界だ。
儚さと実態のない事象によせた幻想劇『Derniers Feux』は、舞台を創り上げるプロセスそのものを上演し、10人の演者が「世界終焉後の世界」に形を与えようとして、共にこの芽生えつつあるユートピアを発展させていく演目である。危険に晒される恐怖と対峙し、最後の花火による「とこしえの刹那」がもたらす歓喜を含む感情に向き合いながら、彼らは踊り、音楽を奏で、空間・セノグラフィーを組み立てては解体していく。
絶え間ない動きの中でダンスそのものが存在意義となり、彼らは舞台の作り手、パフォーマー、そして観る人へと次第に姿を変える。想像力に頼って虚無に直面し、現れては消えゆく像を繋ぎながら、夢見るものも魘されるものも鮮明に描き出す。鳴り響くトランペットやドラム、断片的なメロディに合わせて昂る彼らのエネルギーは、あたかもその一瞬一瞬を「最後」として、「今」を塗り替えていく。

2025年7月に第79回「アヴィニョン演劇祭」で行われた初演の様子 (Photography: Christophe Raynaud de Lage)
※アヴィニョン演劇祭(Festival d’Avignon)
1947年に南仏の古都アヴィニョンで創設された、規模と権威とともに世界で有数の舞台芸術(パフォーミング・アーツ)の祭典です。
ネモ・フルーレ
パリ国立高等音楽・舞踊学校(CNSMDP)とコンテンポラリー・ダンス専門校「P.A.R.T.S.」で学び、ダンサー・振付家として分野を横断するアプローチで活動している。多才なアーティスト集団と協働し、これまでに多様な空間でクリエイションを展開してきた。産業遺構で行われた『900 Something Days Spent in the XXth Century』(2021年)をはじめ、屋外や劇場空間を活かした集団パフォーマンス『Derniers Feux』(2025年)、建築家アンティ・ロヴァグのユートピア的建築を背景とした『Dance Parc』(2024年)、そしてパリの秋の芸術祭(Festival d’Automne)の一環として、ルーヴル美術館のドゥノン翼でアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルと共同制作した『Forêt』(2022年)に至るまで、フルーレは振り付けとパフォーマンスを通じて「人間と空間がどのように言葉を交わすか」を問い続けている。フルーレの作品は、アヴィニョン演劇祭(フランス)、ソウル舞台芸術フェスティバル(韓国)、タンツ・イム・アウグスト(ドイツ・ベルリン)、ボザール(ベルギー・ブリュッセル)、大館(Tai Kwun・香港)、ウォーターミル・センター(アメリカ)、ラ・メナジュリー・ドゥ・ヴェール(フランス)など、世界各国の主要な祭典や芸術拠点で上演されている。
公演情報
Némo Flouret, Derniers Feux
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日程: |
9月18日(金)ー 9月19日(土) |
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会場: |
Charleroi, Belgium |
詳細はこちら(リンク先の言語は英語です)
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